お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

2019年ベストボードゲーム10

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2019年ベストボードゲーム候補作品」でお知らせした通り、私ひげダイスが選ぶ2019年のボードゲームベスト10を選びます。2019年は誤字じゃありませんよ。

例年通り、2019年に初めてプレイしたか、とても久しぶりにプレイしたゲームが対象です。「古代ローマの新しいゲーム」は14種のゲームが入ったゲームですが、全部で1つとして数えようと思います。

上位以外は細かい順位は決めません。10-7位を1グループ、6-4位を1グループとして発表します。3位から1位には順位をつけます。

では、2019年ベストボードゲーム10の発表です。

10位から7位

フォッペン/Foppen

シンプルながら一捻りあるトリックテイキングゲームです。

ゼンマスター/Zen Master

一捻りある、同時に王道感あるトリックテイキングゲームです。

インフェルノ/Inferno

ルールを読むとUNOっぽい? でもちょっとルールが違うだけでこんなにもプレイ感や楽しさは変わるんです。

パックス/PAX

ちょっと変わったセットコレクションゲーム。

6位から4位

ナイアガラ/Niagara

ドイツ年間ゲーム対象受賞作。コンポーネントのギミックに目を奪われがちですが、論理的に先を読みつつ駆け引きがあるいいゲームだと思います。

オイそれはオレの魚だぜ(それは俺の魚だ!)/HEY, That's My Fish(Pinguine!)

ど定番他人数アブストラクトゲーム。ペンギンが魚を獲ります。論理性と駆け引きの両方があります。

ディアヴォロの橋/Ponte del Diavolo

10年ぶりくらいに遊んだら評価が激上がりしたゲーム。2人用アブストラクトゲームです。1ゲームプレイしては感想戦、また1ゲームプレイしては感想戦を繰り返すと、その度にプレイ内容が高度化して行くのがわかります。アブストラクトゲーム的楽しみです。

3位

トランスアメリカ/TransAmerica

各プレイヤーごとに異なる目的地を繋げる事を目的とした鉄道ゲームです。舞台はアメリカ。

毎手番、線路を2本引きます。それだけです。ゲームを通じて置く事ができる線路の本数は、どのプレイヤーも(最終手番の誤差を除けば)同じです。目的は、各プレイヤーごとに異なる目的地を繋げる事です。そして、他のプレイヤーによる線路を経由しても構いません。つまり、どれだけ他のプレイヤーに相乗りできるかが勝負となります。

相乗りするには、利害が一致しているように見せたり、他の部分を優先して代わりに引いてもらったりします。ほとんど運の要素はありません。でも心理的な駆け引きがあり、思惑入り乱れます。

ルールが単純かつ短時間で終わるのでファミリー向けであると同時に、運要素がほとんどないゲーマー向けゲームでもあると思います。続編がどんどん作られる事でもわかる良作。

https://ohigedokoro.hatenablog.jp/entry/2019/06/transamerica

2位

レーベンヘルツ(新版)/Lowenherz

レーベンヘルツ(新版)も久しぶりに遊んだボードゲームの一つです。以前から好きでしたが、これはもう本当にすごいゲームです。

レーベンヘルツ(新版)は、カタンのクラウス・トイバーによるデザインの60分級ボードゲーム。ものすごく面白い。一時は繰り返して遊びました。今回数年ぶりにプレイ。

碁盤の目状の盤面で、自色の城や騎士駒のある領域を柵で囲って自領地とします。柵を置くにはそれなりに消費するものが有ります。苦労して柵を置くと…なぜか隣の人にとっても領地の境界となっています。しかも無料で。境界線とはそういうものです。ゲームの根幹からしてジレンマがあるのです。

とは言え、まずは収入が欲しいので鉱山を含めて囲います。そうする初期配置が重要です。隅の方が少ないリソースで鉱山を確保できて有利です。

そして、収入を急ぐのと、武力を整えて領土を広げるのとのジレンマがあります。

そもそも、柵を置いて領土を確定し、陣取りをするというのが面白い。少ないリソースで少数の柵を置き、短時間で領土を確定すると、序盤から安定収入を確保できるもののどうしても隣の他人の領土が広くなる気がします。面積は実質得点なのです。

囲碁に似ているとの指摘が有ります。大局観を持って、一見影響のないところに柵を置くなどし始めると余計にそう感じるのかもしれません。高度な陣取りゲームです。

複数プレイヤーの思惑入り乱れるマルチゲーム的ゲームでもあります。

https://ohigedokoro.hatenablog.jp/entry/2020/02/lowenherz

1位

古代ローマの新しいゲーム/Neue Spiele im alten Rom

2019年のベストボードゲーム1位は、「古代ローマの新しいゲーム」でした。これは本当にすごいボードゲーム・カードゲーム集です。近年再販された日本語版がそろそろ手に入らなくなります。次のチャンスがあるのかわかりません。購入がお勧めです。

古代ローマの新しいゲーム」は、ライナー・クニツィアの1990年代前半の初期作品集と見ることもできます。90年台ドイツゲームと言えば僕の好みとするところです。実際、これら14のゲームはとても面白く、自信を持って薦められるものです。

14種のゲームが1つのパッケージに入っている事の特徴は、「お得だ」とか「コストパフォーマンスがいい」という事ではありません。ほぼ共通のシンプルなコンポーネント(用具)を使用して全く異なるゲームがデザインされており、それを体験できるという事です。バリアントルール(たくさん掲載されている)も含めてプレイすると、ちょっとしたルールやパラメーター変更が、ゲームの難易度を変更したり、プレイ感を変えたり、面白さを変える事もわかります(そういう意味で「ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集」や「ダイスゲーム百科」と似ているかもしれません)。さらに、ルールブック上での各ゲームについてのコメントを読むと、それらが思いつきを付け加えたのではなく、テストプレイで検証し、どういう影響をゲームプレイに与えるのかということを判断した上で取捨選択した事がわかります。

ボードゲーム・カードゲームデザインの妙を体験できるのです。

ちょっと曖昧な記憶によると、メビウスゲームズ20周年記念でクニツィア来日の際の講演で(?)、ゲームデザインのアイデアは1アイデアを1枚のカード(?)に記入して実際の引き出しに入れているといった話があったと思います。それを実感します。

各ゲームは「小粒でもぴりりと辛い」とでも言うべきゲームとなっています。実験作では終わっていません。同時に、それらをさらに発展させて単体作品として後に発表するクニツィアには本当に力を感じます。

90年台ドイツゲームの特徴といえるであろう、ゲームシステムがズバッとゲームデザイン全体やプレイ感まで定義するゲームばかりが入っています。いいものです。

https://ohigedokoro.hatenablog.jp/entry/2019/09/played-kodai-roma-atarashii-game

まとめ

2019年べストボードゲーム10は、だいぶ近年の好みが出ました。つまり、1990年代ゲームであり、プレイ時間60分以内のゲームです。ものすごく面白いボードゲームはこれら以外にもありましたが、プレイ時間の好みでギリギリのところで圏外となってしまったゲームもあります。2020年版はもっとそれが顕著になるかもしれません。何しろ、1990年代、ボードゲーム愛好家ならば当然通っているべき定番ゲームを僕は経験していないのです。なぜならば当時 Magic the Gathering にはまっていたので(→「1990年代以降のアナログゲーム事情を僕視点で その1」)。ではまた次年版でお会いしましょう。

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