お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

2017年ベストボードゲーム10


昨年2017年に初めてプレイした、あるいはとても久しぶりに昨年プレイしたボードゲーム・カードゲームの中から特に印象に残ったゲーム、面白かったゲームを10個選びました。
ベスト1は選びますが、他に順位はつけません。
パンデミック:レガシー シーズン2/Pandemic Legacy: Season 2》は、この条件を満たしますが、このゲームは特殊で最低12回プレイしないとキャンペーン的連続シナリオが終わりません。まだそこまで到達していないので2017年には含めませんでした。
全て既にブログに書いているので、抜粋して解説します。

《マンゴタンゴ/Mango Tango》を《ネブラスカポーカー/Nebraska Poker》のルールで

まず、擬人化されてマンゴが男女描きわけられた上に色っぽくて面白いですね。そこのパンチ力がすごい。
「このマンゴ採用!」「このマンゴはお祈り(不採用)」とノリノリでプレイ。
コロヴィーニらしい緻密さもあってお気に入りです。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20180316/1521201803

ザ・バクダン/Die Bombe

極度に小種類のコンポーネントだけで構成されたカードゲーム。これはすごい。
競りゲーです。お金で数字の書いたカードを競り落とします。同時入札です。毎回2枚めくります。一番お金を払った人が好きな方を手に入れますが、2位はお金を払わずにもう一方を手に入れます。手に入れたカードは印刷された数字が点数となります。数字カードには2色あり、各色獲得枚数のトップはその色の点数が倍になるところ。そして、支払ったお金はその数字がそのままマイナス点となります。

入札は2位が得なので、極端に低い額で今回はしゃがむといったことを避けます。ですので、本当に欲しい人はどうしても高額で入札することになります。2倍の点数を目指すルールがありますから。カードの数値に対して金額が上がるとどうしても盛り上がります。バクダンに対して、《ヘックメック》的に防御用のカードを獲得すべきじゃないかとか、各種戦略について語り合いたくなるところがありました。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20171211/1512974155

マネー!/Money!

お金でお金を競って買います。お金はUSドルや英ポンド、円などがあります。できるだけ同じ種類のお金を集めます。
コンポーネント・用具もシンプル、ルールもシンプル。それでいながらとても面白い。
同じ種類の通貨(ドル、円…)を集めた方が高得点なので、できるだけ他の人と被らないように工夫します。そして、その支払いに使った紙幣を受け取った人には不要なはずなのでもう一度市場に出てくるはずで…などと考えます。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20171229/1514517003

ババンク/Vabanque

純粋に読み合いのゲームで実に面白い。
コンポーネントもルールも実に単純。少し豪華なお金チップも気分を上げる。箱絵のおっさんも良い。
あのレオ・コロヴィーニとブルーノ・フェドゥッティによるデザイン。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20170825/1503663930

グリュックス/Glux

碁盤の目状の盤面に、幾つも島があります。その各島を陣取り。

ルールはほとんどそれだけと少ないですが、これが実によくできたゲームです。なかなか思ったところにはチップを置く事はできません。大きな数字が便利に最初は思えますが、邪魔されやすいとも言えます。緻密な手を要求されます。
ドイツゲームの王道を行くような、好印象・高評価ボードゲームでした。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20180316/1521156856

ふたつの街の物語/Between Two Cities + Capitals 拡張

ふたつの街の物語は、各プレイヤーが担当する都市を発展させ、その程度を競うボードゲームです。大きな特徴であり面白いのが、2つの都市を担当することです。そのうち一つは右側に、もう一つは左側に置きます。そして、右側の都市はそちら側のプレイヤーと共有し、協力して発展させます。左側はそちら側のプレイヤーと同様にします。

そして、最終得点は担当する2つの都市の内、得点が低い方です。つまり、満遍なく双方の都市を発展させないといけません。これがとてもうまく機能していて、双方都市に対してポジティブな事しかしないのです。細かい事ですが気分が良くなります。
面白いのは都市を共有する面白さの追求を徹底している(と思われる)ところです。都市に配置するタイル(工場とか公園とか商店とか)もドラフト形式で取っていきます。つまり、皆同時にタイル束を手に取り、一枚自分自身の分として取り、残りを次の人に渡すことを繰り返します。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20170828/1503925933

ねずみ海賊ラッタニア/Rattaneer

正統派で完成度の高いゲームと感じます。1時間かからず終わるのも好み。

どのタイルにコマを置くかのプロットでは、ゲーム展開の論理的有利不利を背景とした心理戦が展開されます。ゲーム後半になればなるほど、陸から遠い(「1」から遠い)タイルにコマを置きたくなります。しかし、それはハイリスク。そうしつつ、皆がおきなくなさそうなところをうまく選んでつなぐためだけに別のコマを置きます。その結果、今回最終ラウンドでは「1」のタイルに誰も置かず、全員のコマが無効(農場送り)になって一同大爆笑。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20171211/1512970210

ロストシティボードゲーム/Lost Cities: The Board Game

プレイするたびラウンドのたび配置するチップはプレイするたびにゲームの展開を別のものにします。この遺跡はスピード重視で、この遺跡は追加移動を確実にいくつか稼ぐ、この遺跡は出来るだけ深くまで探検する、そんな作戦を立てて実行します。手札とも相談です。そして、プレイが開始すると、他プレイヤーの盤面と手札の予想がこれに影響を与えるのです。さらに、先程触れた点数が倍になる大きなコマの使いどころも決めないといけません。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20180324/1521847252

賽は投げられた/Alea Iacta Est

信頼のアレア(ブランド)の中箱ゲーム。ダイスゲームです。期待を裏切らない優等生的ゲームでした。5人でプレイ。
各プレイヤーは皆古代ローマカエサルとなり、領土を得たり、そこに貴族を配置したり、元老院で外交をしたり、神殿で祈ったりします。
ダイスを早々に置き切りたい気持ちと、取っておいて後から置いた方が有利な場所に置きたい気持ちのジレンマがあります。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20170912/1505225425

社長の決断/Executive Decision

世界には3種類の材料と、3種類の製品があります。プレイヤーたちはこっそりどの材料をいくついくらで買うかと、どの製品をいくついくらで売るかを書き付けます。公開して実際に売り買いします。そうやって利益を得て、ゲーム終了時にたくさんお金を持っていた人の勝ちです。
肝となるのが、材料は買いたいと思う人達の総量が多いと値上がりし、逆だと値下がりします。製品は売られる量が多いと値下がりし、逆だと値上がりします。市場の流れを読んでそれを決めます。値段や量が極端だと、売り買いできないことがあります。

基本的に、他のプレイヤーの心理や判断を読むだけなのです。そこが面白い。

http://d.hatena.ne.jp/higedice/20180305/1520254240

2017年のベストゲームは!

これら10個のボードゲーム・カードゲームの中から、今年のベストゲームは!

・・・・《社長の決断/Executive Decision》でした!
クラシックなゲームです。シンプルなルールのゲームですが、その分一つ一つのルールが強烈にゲームプレイに影響します。たったこれだけのルールと数値だけなの、という感動があります。需要と供給だけで材料や製品の価格が決まり、その中で金儲けをします。つまりは他人の心理や判断を読むゲームなのだと思います。面白い。

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