お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

ベストボードゲーム10 - お髭処ゲーム大賞2023

2023年ベストボードゲーム候補作品」でお知らせした通り、私ひげダイスが選ぶ2023年のボードゲームベスト10を選びます。

例年通り、2023年に初めてプレイしたか、とても久しぶり(とりあえず10年)にプレイしたゲームが対象です。今回は34種のゲームが対象となりました。2022年までは、上位以外に細かい順位をつけていませんでしたが、今回からは全体に順位をつけます。

では、ベストボードゲーム10・お髭処ゲーム大賞2023の発表です。

10位:グランド・ナショナル・ダービー/Grand National Derby

「グランド・ナショナル・ダービー」は、ライナー・クニツィアによるデザインのボードゲーム(カードゲーム)です。1996年作品。レースをするどの馬が勝つかに賭けて点数を競います。レースの序盤で賭けた場合は高得点ですが、その馬が脱落するかを見極めるのは序盤ほど難しくなります。

9位:グミトリック/Gummi Trick

グミトリックは OKAZU brand によるボードゲーム(カードゲーム)です。トリックテイキングと呼ばれるジャンルのゲームです。テクニカルさと運要素のバランスが良く、遊びやすいゲームです。それでいて、きちんとカウンティングと確率計算をしながらプレイするとかなり高度なゲームとなりそうです。

8位:キャントストップ・エクスプレス/Can't Stop Express

超大御所の故シド・サクソンによるデザインのボードゲーム(ダイスゲーム、紙ペンゲーム、ロール&ライト)です。同じルールのゲームの記載が「シド・サクソンのゲーム大全(A Gamut of Games)」(書籍)に記載があります。「ソリティア・ダイス(Solitaire Dice)」の名称です。日本語版書籍によれば、「チョイス(Choice)」、「アインシュタイン(Einstein)」として製品化されたとあります。

7位:世界の七不思議:デュエル/7 Wonders Duel

世界の七不思議:デュエル」は高い評価を得ている2人専用ボードゲーム(カードゲーム)です。高い評価を得て賞も取った「世界の七不思議」の続編です。2015年作品。

世界の七不思議」はドラフトのシステムが象徴的ですが、この「世界の七不思議:デュエル」では卓上に広げたカード群からカードを取得します。「ロチェスター・ドラフト」の変形です。カードを獲得すればするほど生産性が上がり、のちに登場するカードを取得しやすくなったり勝利に近づきます。緻密な2人専用対戦ゲームです。

6位:ドーフロマンティック ボードゲーム/Dorfromantik: Das Brettspiel

「ドーフロマンティック ボードゲーム」は、2023年にドイツ年間ゲーム大賞(SDJ)を受賞したボードゲームです。協力ゲームです。全プレイヤーが協力して高得点を目指します。元はSteam(PCゲーム環境)や Nintendo Switchビデオゲームだそうです。パズル的タイル置きゲームです。キャンペーン形式で何回も繰り返しプレイしてゆき、色々な要素を「アンロック」してゆきます。

5位:テン/Ten

「テン」はタイトルの通り、「テン(=数字の10)」がルールとプレイの鍵です。手番になったら、カードを山からめくります。次々とめくります。たくさんめくると高得点のチャンスですが、数字の合計が10の制限を超えるといわゆるバーストです。その手番が実質無駄となります。それにうまくオークションのシステムが乗っています。

4位:クニツィアのゴールド/Gold

クニツィアのゴールド」は、ライナー・クニツィアによるデザインのボードゲーム(カードゲーム)です。いわゆる神経衰弱的なめくりゲームです。シンプルな短時間ゲームです。めくるカードの組み合わせの妙があり、暗記は必要なものの同じカードを見つけるだけではない面白さがあります。

3位:ファミリーインク/Family Inc.

「ファミリーインク」は、ライナー・クニツィアによるデザインのボードゲームです。めくり、バースト系です。

100点先に獲得したプレイヤーの勝利です。どこまでめくり続けるか、めくるのをやめるかの判断がキモです。運が悪いと50点入ります。100点で勝利なのに50点です。これがプレイヤーを熱くさせます。ルールから予想させる以上に展開に幅があり、よく考えて判断しないといけません。

2位:ホット・リード/Hot Lead

ホット・リードは、ライナー・クニツィアによるデザインのボードゲーム(カードゲーム)です。

毎ラウンド、場に人数分のカードがめくられます。各プレイヤーはこれを集めて得点とします。これとは別に各プレイヤーは数字のカードを手札に持っています。全プレイヤーが一斉にカードを1枚出します。数字が大きい順に山札に近い方のカードを自身のカードとして手元に置きます。集めたカードはいわゆるセットコレクションで、うまく集めると得点となります。

短時間ゲームです。繰り返し遊ぶのが面白いですね。現代的ニムト。

1位:ロストシティ:ロール&ライト/Lost Cities: Roll & Write

「ロストシティ:ロール&ライト」は、ライナー・クニツィアによるデザインのボードゲーム(ダイスゲーム、紙ペンゲーム、ロール&ライト)です。ダイスを振っては各自の紙製ゲームシートに記入してゆき最終得点を競い合います。

ロストシティシリーズお約束のコース別(色別)の探検を進めます。探検を進めれば進めるほど高得点ですが、中途半端に進めるとかえってマイナス点となります。他に各種ボーナス点があります。

ダイスを選ぶだけにも関わらず展開が多様なゲームです。有利にゲームを進めるには他プレイヤーのシートもよく見る必要があります。ダイスゲーム、紙ペンゲーム、ロール&ライトのジャンルのゲームはソロプレイ感が高いものも多いですが、プレイヤー間のインタラクションがあります。

お髭処ゲーム大賞2023 まとめ

2023年は2020年からのコロナ禍を引きずる年でした。外出や人と会うのが躊躇されて対面でのボードゲームプレイの機会は増やしにくい中、徐々に用事ができたり、仕事の多忙とも重なって、ボードゲームのプレイ数は少ない年でした。新作やメジャー作品を追いかけていないこともあり、主流とは異なる選択となったと思います。

2023年の大作であるキャンペーン形式でプレイする「チケット・トゥ・ライド:レガシー」はプレイする機会を持つことができませんでした(年が明けて2024年にプレイ)。

半分はクニツィアによるデザインのゲームで、ランキングのほとんどは短時間ゲームとなりました。これは僕の好みが出ていると思います。

1位の「ロストシティ:ロール&ライト」は、知る限り日本語版は存在しないし、和訳ルール付での輸入もありません。お気に入りゲームなので今からでも輸入とならないかなあ。