お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

NHK ETV 特集「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年」の感想

10月21日に放送された、NHK ETV 特集(http://www.nhk.or.jp/etv21c/)、「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年」をやっと見ました(録画しておいた)。1時間30分の長い番組でした。
番組では、日本SF黎明期に日本のサイエンスフィクションを作り上げていった人々を「日本SF第1世代」と呼びます。そして、日本SF作家クラブhttp://sfwj.jp/)のメンバーを中心に、インタビューや当時の会話の録音が沢山登場します。
当初全く世間に認識されなかったSFが、鉄腕アトムの人気や、高度成長期に開催された大阪万博ウルトラマンのヒット、少年誌でのSF小説の連載などを経て、宇宙戦艦ヤマトガンダムエヴァンゲリオンなどへ発展し、現代の「オタク文化」、「現代日本文化」になったという興味深い内容でした。
現代日本文化などというと大げさに感じますが、番組の最初にあるCMを取り上げるんですね。ある青年の部屋のタンスがタイムマシンの出口になっていて、織田信長千利休がでてくるというCMです。これが、視聴者にタンスがタイムマシンの出口になっているとすぐにわかる文化があるのが現代日本であり、SF的文化が浸透しているというのですね。説得力があります。
日本SF作家クラブのメンバーの過去の会話の録音で面白いものがありました。「宇宙に行くことが一般的になったら、地球と月の間や、火星と地球の間を宇宙船を使わずに宇宙服だけで移動するスポーツが登場するかもしれない」、「一回押してしまえば、乗っているものは何でもいいですよ、丸太だけに乗るとかね」、「ほうきに乗るなんてのはどうだろう」、「(笑)」。想像力に感服しました。これがゼロから新しいものを作る人達の発想なんだなと。
日本SF作家クラブのメンバーの名前はSFに詳しくない僕もよく聞いていたのですが、その人達が日本SF界の大御所で、偉大な実績を残していたのだと知りました。
番組全体を通して、当事者へのインタビューが豊富で、当時の資料を映すのが番組の内容に説得力を持たせていると思いました。