お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

「戦略思考トレーニング―考える力が飛躍的にアップする!」の感想

先日話題にした「戦略思考トレーニング―考える力が飛躍的にアップする!」を読んだ。
例題を設けてはそれについて論ずる形式で、全84題ある。見開き2ページで1題取上げ、例題は左ページに枠で囲い図や挿絵を必ず右ページに入れるなどどのページも同じレイアウトとなっている。短時間で理解したり必要なときに思い出すのに良さそう。
各例題には明快なタイトルがついていて、それを理解しやすいように例を挙げて解説しているとも言える。これは欠点でもあって、例題ごとにまったく関連のない例で解説するのでそれぞれの項目につながりが無い。書いた人の考えが系統だっては伝わってこないとも言える。
では各例題についてはどうかというと、未知のテーマを理解しやすい例が挙げられているものの、ビジネスでの具体的な行動や判断に繋げにくいように感じる。例えば、「評価される項目やルールが重要」というテーマの例題は大食い大会のルールだし、「タブーを捨てて考える」では夜爪を切る事が例だ。また、本書の本題では無いが、僕が多少詳しいつもりのコンピュータや企業の情報システムの解説は古すぎるのではないか(角の立ちにくい言い方をすると)。
極めて短時間で読めるし、84項目取上げられているので読者が抜けている点を気づく切っ掛けに役立つだろう。
まとめると、帯に短したすきに長し。書いてある事がすぐに役立つほど具体的ではないし、かといって系統だっていて日々の行動の指針に成る程ではない。若手から中堅になろうとしている入社3年目くらいの会社員が安く短時間に新しい気づきが欲しいときにはいいかもしれない。
取上げられた各テーマは納得のいくものだったので、この著者の他の本は検討する価値が高そうだと感じた。