Wikipedia を読んで回るのって楽しいですよね。実用的な調べごと以外にも、ただただ興味の向くままに知的好奇心を満足させるのは時間を忘れさせるものがあります。先日そうしていて興味を引いたのが、「技術的特異点」という項目。
そこで、「ポスト・ヒューマンの誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき」という本を読みたくなったのだけど、相当に厚い本のようなので、Amazon で見つけた同作者の、「NHK 未来への提言 レイ・カーツワイル 加速するテクノロジー」(レイ・カーツワイル、徳田英幸著 2005年)から読んでみることにしました。(そういえば、NHK では何年も前に立花隆が「サイボーグ技術が人類を変える」という番組をやっていた)
これは、レイ・カーツワイルと、日本の情報科学の研究者の徳田英幸の対談を中心にした本で、さっと読むことができます。ポスト・ヒューマンの誕生を簡単にまとめた本ではなく、レイ・カーツワイルの他の著作や、それに反対の意見の紹介などもあり、読んだかいがありました。
レイ・カーツワイルの未来予想は興味深いものがあります。特異点に関する主張はこうです。
- すべての技術は情報技術の発展の上に成り立つことになる。
- 情報技術の発展の速さは予想しやすい。
- 21世紀に急成長する技術は、遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学。
- 人間の脳をスキャンする解像度は毎年2倍になっている。
- 今後20年以内に人間の脳の全てのモデルとシミュレーションが実現し、それを再生産することができるようになる。
- コンピュータの情報の伝達は人間のそれよりも速く、記憶力も優れている。
- コンピュータの処理速度は年々速くなっていく。
- 2020年には1台のコンピュータがひとりの人間の知性を凌駕する。
- 2045年には人間の知能の10億倍の能力(つまり人間全員の脳を超える)能力を持った人工知能が登場。
この、人間の脳全てを超える知性を機械が持つ時点を、カーツワイルは、「特異点(singularity)」という概念として提唱した。特異点以降、人工知能は人間の能力を上回る機械を次々とつくりだし、もはや人間に制御できない可能性もある。テクノロジーと人間の関係がこれまでとは異なる未知の段階に入る。
僕などは、映画ターミネーターや、マトリックスや、アニメのトランスフォーマーのセイバトロン星や、甲殻機動隊を思い出してしまいますが、刺激的な話です。
次は、「ポスト・ヒューマンの誕生」や、「サイバネティックス」、「計算機と脳」「