お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

WBSでケータイの行方が「パソコン化」じゃレベル低すぎないか?

テレビ東京の経済ニュース、ワールドビジネスサテライト(WBS)で昨日5月19日、「ケータイの行方」という放送をした。キーワードは「携帯のパソコン化」。その着眼点のレベルの低さが悲しい。最近の WBS はコンピュータやインターネット関連の特集のレベルが上がってきたと感じていただけに残念でならない。

KDDIがきょう発表した業務提携。提携の相手は、インターネット検索のグーグルだ。

「何が必要なのか?PCの世界では検索だと思う。今回の提携はケータイでPCと同じことをやろうとしている」
(西田隆一さん/シーネット)

「これから先は音声よりも、様々なデジタルコンテンツ『ゲーム』『動画』『音楽』 そういうものが、収入の大変重要なものになる」
孫正義 社長/ソフトバンク

たぶんこの辺から、携帯のパソコン化としたのだろう。
しかし、パソコンで出来ていた事を携帯電話でもできるようになったから、携帯のパソコン化というのはどうか。パソコンというのはそもそも汎用のコンピュータなのだ。また、携帯電話よりも処理速度が速い。開発が簡単だとも言える。だから、先進的なサービスはまずパソコン向けに開発される。そして、携帯電話の処理速度や通信速度は年々高速で安価になっていく(ムーアの法則とかチープ革命と呼ばれている)から、パソコンで出来る事の一部が携帯電話に採用されるようになる。つまり、技術的に重要なのはそこではない。ビジネス的にもハードウェアが共通な訳でもないし、Web でのサービスも携帯とパソコンで分離しているから重要ではないだろう。
しかし、振り返ってみると報道で取り上げた部分は鋭い。
KDDIGoogle と提携して AU の携帯に Google の「検索機能が搭載される」のは、閉じたネットワークでなく Web のコンテンツを対象とするのなら、大きな出来事だろう。また、僕はドコモの携帯を使っているかから AU の事はよくわからないけれど、ドコモでは i-mode の機能を使うと、むかしの Yahoo! のように登録されたディレクトリをたどって携帯向けのサイトをトップページからを見る事になる。Google の様にキーワードを入力しての検索し、目的の情報があるページに直接アクセスするのとは対照的だ。
また、ソフトバンクが「これから先は音声よりも、様々なデジタルコンテンツ『ゲーム』『動画』『音楽』 そういうものが、収入の大変重要なものになる」としているが、それを Yahoo! で提供するとしたら、これは KDDI とは対照的な閉じた世界だ。
今回のニュースは「携帯のパソコン化」という何を指すかわからないキーワードで、「ケータイの行方」がぼやけてしまった。WBS の技術系ニュースのさらなる品質の向上を望みたい。
ここ以降追記
CNet Japan で関連記事を見つけた。

大事件じゃないですか。

 Googleの検索技術を利用することで、検索結果のページには検索キーワード連動型の広告が表示される。広告収入が両社間でシェアされるのかについては明らかにされていない。広告主は、Googleの提供する携帯電話向けの「Google モバイル広告」に申し込むことで、au端末に広告を掲載できるようになる。

お金の流れ方が大きく変わる可能性がある。広告の掲載主からお金が入って、GoogleKDDI に入る。しかも、キーワード連動広告だから一部の人をターゲットとした広告が無数の広告主から入る可能性が高い。
それに対して、WBS によればソフトバンクはコンテンツが「収入の大変重要なもの」になるとしている。
WBS の今回のニュースは、ハードウェアだけに着目してサービスやコンテンツを軽視した内容だったのではないだろうか。