お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

「大英博物館 古代エジプト展」で古代のゲーム盤を見てきた

東京は六本木ヒルズ52階にある森アーツギャラリーで開催中の「大英博物館 古代エジプト展」にくにすらと行ってきました。
昨日8月16日、朝の10時30分頃に到着したのに暑い! 六本木ヒルズを見上げます。このピラミッドより高いであろう近代的ビルの高層階に古代の品々が並んでいるのか・・・



とにかく入るまでに並ぶ! 入った後も人ごみ! 展示品に密着するような状態で立ち止まったり、団扇で同行人に展示を指し示して話を始める人あり(見えないよ)、座ることができる場所が後半にはなかったりと不満もある展覧会でしたが、展示は魅力的でした。
入るために並ぶ並ぶ。内装がすでにピラミッド内部のよう。これはたぶん普段から。
美術館や博物館の展覧会では定番となった音声ガイドは一般とジュニア版があります。一般は八嶋智人、ジュニア版は坂本真綾が解説。「トリビアの泉」や「古畑任三郎」好きの僕としてはかなり心惹かれたし、アレゲな僕としては「大人の方もご利用になれます」とあるジュニア版が気になりもしたのですが入口に到着した時点で疲労気味で同じ500円払うなら座ってお茶にしたいよという気持ちであり見送り。

今回の展覧会の目玉は古代エジプト人の墓に埋葬されたという「死者の書」の数々。死後冥界の案内やそこで襲いかかる試練を抜けるための呪文や暗記事項が描かれています。当時一点物で作られた多数の死者の書が展示されています。それを中心に古代エジプト人の死生観や死後の世界についての考え方に迫ろうという一貫したテーマを感じる展覧会です。
古代エジプトに造詣がない僕のイメージはピラミッドやファラオの黄金のマスクから、石と黄金の文明というイメージを描いていましたが、今回の展示品からは木とパピルスの文明という印象を受けました(そして陶器・焼き物はない)。有名なレバノン杉で作られ、内側まで絵と文字がびっしりと書き込まれた(これも死者の書)棺には独特の迫力があります。そしてあまり色落ちしていない不思議。
さて、ボードゲーム愛好家として古代エジプトと聞いて気になるのはやはり「セネト」でしょう。バックギャモンの元になったともいわれる古代の盤上遊戯です。ありました。ちょこっと。

まずは動物がセネトをしている(他のことをしている動物もたくさんいる)風刺画のパピルス鳥獣戯画的です。
そして、ぱっと見セネト的形をした「木製ゲーム盤」。それとそのマスにぴったりとはまるコマ。木製ゲーム盤は表と裏でマスの数が異なり、別のゲームに使用したのではないかとの解説付き。ゲーマーとしては別のゲームではなく同じルールのゲームの異なる盤面かバリエーションルールではないかと考えてしまいますが、とにかくそのような解説。帰宅後、書籍「盤上遊戯」(増川宏一著)を確認すると、表と裏で異なるマスの数のゲーム盤の記述はありました。古びて一部が欠損したゲーム盤を目の前に見ると、数千年前にこれをどのような人がどのような場面で使ったのだろうと想像がめぐり独特の感動があります。
ミュージアムショップでは、セネトをする動物の風刺パピルス柄のお土産が何種類も。動物ものは売れるという狙いでしょうか。違う理由で何種類も買いました。マウスパッドも欲しかったなあ。

森アーツギャラリーと同じ六本木ヒルズ52階の展望台横にあるハーブティー&バー(レストランとは別)で、大英博物館古代エジプト展とコラボメニューがありました。ギザの三大ピラミッドカレーの一基は金箔でコーティングというオカシナメニュー。写真は見本の作り物です。僕は緊迫でない一基だけのピラミッドカレーをいただきました。スパイシーではないけれど豆がうまいカレーでした。
また、店内からの展望は素晴らしく、顔を動かさなくても六本木ミッドタウン、防衛省、絵画館、サンシャイン、国立新美術館青山墓地新宿御苑明治神宮、新宿副都心のビルが見えました。まさに一望。高いって素晴らしい。



この展覧会、今日9月17日までなのですが閉館時刻が夜22時と遅くまでやっています。東京の次は福岡で開催とか。

リンク

盤上遊戯 (ものと人間の文化史 29)

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