お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

技術書の原典とビジネス書の原典

本屋で「戦略思考トレーニング―考える力が飛躍的にアップする!」(asin:4569663362)という本が目についた。
ぱらぱらと見た感じでは例題を設けてはそれについて論ずる形式で、84題ある。見開き2ページで1題取上げ、例題は左ページに枠で囲い図や挿絵を必ず右ページに入れるなどどのページも同じレイアウトとなっていて、短時間で理解したり暗記しやすそうだ。
過去に売れた本の文庫版との事である。値段も420円と安い。仕事に役立つかもしれないと思い買ってみた。
ふと考えた。これは技術書で言えば入門書や目の前の問題の対処に役立つハウツーものの1つなのでは。
僕は仕事と趣味でコンピュータ関連の技術書をよく読むのだけど、この分野には大きく分けて2種類の本がある。入門書と原典だ。前者は読み手が未知の分野について読者が理解しやすい事を最優先にした本と言えるだろう。後者はその技術をつくった人や近い人が書いていて、設計思想から語られている事も多い。
入門書で勉強する事はだが、原典を読む事はもっと重要だと僕は思う*1。原典はなぜその技術にそういう方法が採用されたのかが書かれていて、読者が書いてある技法を利用できるようになるだけでなく応用して他の事に利用できたり長期的に役立つからだ*2。また、設計思想や技術が誤解されて書かれる事も基本的にない。入門書と原典の両方を読むよりも原典だけを読んだ方が高い技能を身につけるのにかかる時間が少ないという人も居る。
つまり、ビジネス書も技術書の原典にあたる本があって僕が読んでいるのは違うものではないか。さらに、システムエンジニア(SE)向けの仕事本や業務知識系の本も長期的には応用が利きにくいものなのではないだろうか*3
では、ビジネス書の原典にはどんな本があるのだろう。よく P.F.ドラッカーという人をほめる声も聞くけどそういう本が原典に当たるのだろうか。これから情報を集める時はそういう視点を持って情報に接する事にしようと思う。

*1:決して入門書は価値が低いと言っているのではありません。僕自身とても助けられています。

*2:コンピュータでは原典にあたる本を紹介する「コンピュータの名著・古典100冊」という本がある。お薦め。asin:4844318284

*3:決してこれらの本の価値が低いと言っているのではありません。僕自身とても助けられています。