お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

ライフログはオフィスから?

MXTVガリレオチャンネルで、「ライフログ〜人生すべてを記録したい〜」をみた。日々の見たものや聞いた事を全てデジタルに記録してゆく「ライフログ」と呼ばれる事についての放送だ。
これらの技術は、身近な所ではオフィスから導入されるのではないだろうか。ビジネスでは、言った言わないが問題になることがある。それに対する究極の答えは、職場での全ての言動を記録して検索できる様にする事だろう。言わば究極の議事録だ。また、サボりや情報漏洩への対策にもなる。実感として、近年情報漏洩対策にオフィスでの入退室をICカードで管理する企業が増えている様に感じる。つまり、誰がいつどこに居たかを集中管理している。「ユビキタス・コンピュータ革命―次世代社会の世界標準」によれば、これは特別新しい流れではないらしい。これの究極の形態は全ての言動を記録する事だろう。

また、職場のPCに監視用のソフトをインストールして、インストールされているソフトの種類や、どのアプリケーションをどれだけの時間起動していたかを管理している企業もあるが、何もサボれるのはPCでだけではない。就業時間中は労働に集中しているかを見張るのを強化しても不思議ではない。
しかし、これこそテクノクライシスではなかろうか。今回のガリレオチャンネルに登場した、日々見たものをデジカメで撮影している人によると、いつでも過去に見たものを検索できる様になると、過去に対する感覚が変わって来て「懐かしい」という感覚が無くなってくるそうである。もしライフログに近いものがオフィスから実現した場合、厳しすぎる監視社会というだけでなく、そこで働く人の心のあり方へも影響があるのではないだろうか。そんな事を考えた。

デジタルカメラやビデオの普及とハードディスクの性能向上により、いまや日々の出来事を際限なく記録できる時代がやってきた。そんな中、個人の一生をデジタルデータとして記録しつくす「ライフログ」と呼ばれる試みが始まっている。
1日16時間、個人が見聞きする出来事をビデオに撮りだめていくと70年分のデータ量が10テラバイトにおさまるという試算がある。数年後、パソコンのハードディスク容量は1テラバイトに達すると予測されており、もはやライフログ絵空事ではない。
膨大な記録の検索法に関する研究も進んでいる。GPSによる位置情報、加速度計や温度センサーのデータを映像に付加することで、それらを手がかりにした特定の場面の検索が可能になっている。また、脳波を同時記録することで、被験者が興味をもった場面だけを呼び出すなど、主観的な体験と記録データを関連付ける試みも始まっている。
ライフログの実践者は、“体験”の外部記憶化により、記録と記憶の境界が曖昧になり、これまで時間に縛られていた記憶の感覚が変わってしまったと証言する。
日常のライフログ化は私たちをどう変えるのか?

<取材協力>
美崎薫さん(未来生活デザイナー)
相澤清晴さん(東京大学
河野恭之さん(奈良先端科学技術大学院大学
野島久雄さん(成城大学
追記
Microsoft の MyLifeBits Project http://research.microsoft.com/barc/mediapresence/MyLifeBits.aspx