7月8日の「かはくにて古生代の生物の魅力に気づく」にコメントをもらったのでそれに対する返事を。ほとんど私信です。
この辺の経緯を書いたのが、古生物学者であったスティーブン・J・グールドの「ワンダフル・ライフ(早川書房)」です。この本の前半、これまでたいした事のない生物のものだと考えられていた化石が次々とその姿を明らかにされていく過程はドラマチックで実に面白いので、未読であればぜひおすすめします(後半、グールドの自説が展開されている部分はちょっと難解な上に、鵜呑みにするのは危険な説なのですが)。
これですね。

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者:スティーヴン・ジェイ グールド
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 文庫
- 追記
- 上記は文庫版。ハードカバーはこちら。
- 作者:スティーブン・ジェイ グールド
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1993/04
- メディア: 単行本
朝倉書店の「バージェス頁岩化石図譜」もおすすめです。写真が素晴らしく、これらの化石がいかに素晴らしい保存状態で産出したかがよく分かります。ファンになったのならば是非。
これですね。

- 作者:デリック・E.G. ブリッグス,フレデリック・J. カリア,ダグラス・H. アーヴィン,チップ クラーク
- 出版社/メーカー: 朝倉書店
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 単行本
ところで、かはく新館の展示は解説装置による説明を多様していて内容は非常に良いのですが、人が多いときは見るのに時間がかかってしまう上に、展示内容を解説装置で補っているのでそれを見ないとなかなか理解できない、というのが欠点だと思います。
同感です。ただ、教育ボランティアによるツアーがそれをある程度補っているとは思います。ツアー以外にも、各フロアに多くの職員かボランティアが詰めていました。
一応現在の解説装置も、他言語対応の利点はあると思います。あと、いくらかムービーやインタビュー付きの解説もあり、ディスプレイならではだとは思いました。逆に、椅子に座りながら大型ディスプレイで見たいとも感じましたが。最近美術館の特別展では、入り口に座席と大型ディスプレイを置いて、展示の概要を流していたりします。大型ディスプレイで座って学習後に化石などの展示を見るという流れを強化してもいい気がします。
ICカードとも連携しているようですね。
僕は有料だと思って利用しませんでした。入り口から遠い出口の方に窓口があったし!
ちなみに、この辺はおそらく「ユビキタス・コンピューティング」として坂村健氏が中心となって薦められているプロジェクトだと思います。この辺が詳しい本です。
モバイルな解説装置を貸し出すとか携帯で解説を見られるとか、といった面白い解決法を期待してしまうのですが、その辺はどう思いました?
300円で PDA の貸し出しをしていました。携帯でというのはとても面白いと思います。「iD」「トルカ」というドコモの新しいケータイの機能を使えばできそう。ちなみに、去年の末にそれに近い実験が行われました。
- 東京ユビキタス計画──上野まちナビ実験始まる - ITmedia Mobile
- フォトレポート:東京の街をユビキタスに--上野で実証実験 - CNET Japan
- http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/09/20f9c700.htm
- 東京スター銀行おまとめローン審査はおすすめ?口コミ評判を解説!その他おまとめローンおすすめも紹介!
蟲です。
かはく新館、古生物の展示はなかなかですね。
カンブリア紀の連中、姿は奇妙奇天烈ですが基本的には現在の生物に連なる系統のものがほとんどです。なかにはアノマロカリスやオパビニアのように現生のどんな生物に類縁関係があるか分からないものもいますが・・・
一応こっち系が専門なので蛇足をあれこれ。
これらの生物の多くは19世紀の終わりに発見され、そのときには既存の生物群(クラゲとかカイメンとか)に分類されており、この時代は既存の生物群の中でも特に古い体制を持ったものしかいない時代だと長いこと考えられていました。
これが1980年代に見直された結果、奇天烈生物が次々に”再発見”されて、多様な生物群が既に存在していたと考えられるようになりました。
この辺の経緯を書いたのが、古生物学者であったスティーブン・J・グールドの「ワンダフル・ライフ(早川書房)」です。この本の前半、これまでたいした事のない生物のものだと考えられていた化石が次々とその姿を明らかにされていく過程はドラマチックで実に面白いので、未読であればぜひおすすめします(後半、グールドの自説が展開されている部分はちょっと難解な上に、鵜呑みにするのは危険な説なのですが)。
朝倉書店の「バージェス頁岩化石図譜」もおすすめです。写真が素晴らしく、これらの化石がいかに素晴らしい保存状態で産出したかがよく分かります。ファンになったのならば是非。
そうそう、三葉虫はその進化の歴史が古生物のなかで最もよく調べられている生物の一つなので、これもぜひ好きになってやって下さい。
ところで、かはく新館の展示は解説装置による説明を多様していて内容は非常に良いのですが、人が多いときは見るのに時間がかかってしまう上に、展示内容を解説装置で補っているのでそれを見ないとなかなか理解できない、というのが欠点だと思います。
モバイルな解説装置を貸し出すとか携帯で解説を見られるとか、といった面白い解決法を期待してしまうのですが、その辺はどう思いました?
(2006/07/11 15:34)