「Vフォー・ヴェンデッタ」の感想 その3の続き。
この映画でいいと思うのが、観客に考えるように促している点だ。
主人公(の1人)の「V(ヴィー)」は劇中で全体としては正義の人として表現されているが、全ての面で正義とは言いにくいところがある。映画の題のようにヴェンデッタ(vendetta)、復讐の人である。あらすじにあるように市民に****を呼びかけるが(ネタバレ自粛)、それも正義感からなのか個人的な復讐の手段に利用しているのかもわからない。その行動には狂気を感じさせる事もある。
Vの行いは抑圧的な政府に対する正義の抵抗なのか、それとも残虐なテロ行為なのか、観客に議論の余地を与えている。
徐々に明かされる独裁政権の成り立ちもつい現実と比べてしまう。現実の政治・社会のあり方について材料となると思う。
つづく
V フォー・ヴェンデッタ (SHOPRO WORLD COMICS)
- 作者:アラン・ムーア,デヴィッド・ロイド
- 出版社/メーカー: 小学館プロダクション
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: コミック
- 追記(4月28日)
- 「Vフォー・ヴェンデッタ」の感想 その5を書いた。
- 追記(4月28日)
- 回数が多くなったので全ての感想へのリンクページをつくりました。「Vフォー・ヴェンデッタ」の感想 まとめページ