お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

メトロックス/Metro X



OKAZU brand による4月開催のゲームマーケット大阪で発表予定の新作ゲームです。縁あってそれよりも早く遊ぶことができました。
平等のために書いておくと、これを作った OKAZU brand の方々とは一緒にボードゲームを遊ぶことがある近い関係です。
各プレイヤーは鉛筆で記入できるシート・用紙を持ちます。これには鉄道の路線図が描かれています。東京マップと大阪マップが入っていて、今回は東京マップを採用しました。全員が同じマップを使います。
この路線図には駅マスがあり、ここを効率よく埋めていく(=線路を敷く)ことを目指します。
カードめくり役の人が、カードを1枚めくります。全員が、書いてある数字分駅マスに丸印やチェックをつけます。これを繰り返します。
東京の地下鉄は入り組んで乗り換え駅もありますから、途中で交差することがあります。すると、ある路線を伸ばしているときに、カードの数字分以下で既に印のついた駅についてしまうことがあります。そうすると損で、ぶつかる所までしか埋めることができません。このゲームは、各路線(半蔵門線東西線副都心線など…)を誰よりも先に敷設しきると得点ですし、2位以降でも点が入ります。最終的には空白の(チェックを入れていない)駅はマイナス点となります。
なので、カードの数字を先まで読んで効率よく線路を敷こうと工夫しますが、悩ましいのがゲームのタイトルにも関連する、線路が交差する所。つまり、乗換駅。星マークのカードが出ると、好きな乗換駅に高得点となる数字を書きます(指示マスにも忘れず星を書こう)。しかし、これがなかなか難しく、先ほどの既にチェックのある駅にぶつかると、カードの数字が大きくてもそこまでしか線路を敷くことができないルールが効いてくるのです。何しろ、大得点となる大手町駅は開始地点よりもだいぶ先にあるし、多くの路線に影響するので、衝突しやすいのです。
最初気づかず、後から苦しみました。慣れるときっとあちらを立てればこちらが立たず、どちらを選ぶかが勝敗を分ける難しい選択となるのでしょう。
メトロックスは、この路線交差部分のルールからか、前半と後半で判断に求められるものが変わってきます。同じルールで同じカードを使ってシートに書き込み続けている「だけ」なのに不思議なものです。レベルが上がれば、他プレイヤーの状況を見つつ選択することになると思います。やり込みがいがありそうです。
馴染みのある地域のマップで遊べるのは思い入れが湧きます。「西船橋まで行けば俺の勝利」的なゲームとは外れた部分の楽しみも出てきます。
箱絵も魅力的で、ドイツゲームで見かけるキャラクター性のないイラストです。地下鉄のアイコンがモチーフだと思いますが、クールな思考ゲームを連想させます。メの字がXの字と掛けていて、線路を連想させるのはさすがです。
20分程度で終わりつつ、高密度の思考ゲームが楽しめるのはいい所。次はもっとうまくやるぞ、と思わせる何かがあります。
これが好きな人には、Rolling JapanRolling World は国内メーカー出版版、Rolling America は海外版)もおすすめ。

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メトロックス

メトロックス

  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: おもちゃ&ホビー