お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

Board Game Review Book Vol.1 と別冊1号の感想

Board Game Review Book ボードゲーム・レビュー・ブックThe Game Gallery ザ・ゲーム・ギャラリー のHAL99さんによるボードゲームの同人誌です。Vol. 1 、別冊1共に今年2022年10月29日発行です。

HAL99さんは自身のブログで、いま本や同人誌の形で情報発信する理由にアーカイブ性・記録性を挙げています。

本を出そうと決めたのはコロナ中の2020年の秋です。以前から話してますが、デジタルデータはわりとあっさり消えます。ホームページもブログもYoutubeTwitterもなくなるときは一瞬です。

また、当たり前ですが、20世紀のボードゲームの情報として今見れているのは、本や同人誌ばかりです(20世紀最後に増えたホームページは大半が消えて無くなっています)。

10年後とかに振り返った際、手元に残る当時のゲームが詰まった本が欲しいと思っていました。これだけ日本語版が出る時代の記録として、そして私が好きなゲームを詰め込めるだけ詰めこんだ本とか欲しかったのです。

https://www.thegamegallery.net/entry/2022/11/01/011047

これにはとても共感するところです。ウェブの情報というのは当初の永遠に残るかのような印象とは異なり、実際には簡単に消えてしまいます。Magic the Gathering を熱烈にプレイしいた2000年頃には The Magic Dojohttp://www.thedojo.com/)のサイトがなくなるなどとは想像もしませんでした。今のボードゲーム界でいえば、Board Game Geekhttps://boardgamegeek.com)が無くなってしまうようなものです。少なくとも、個人の情熱や努力で成り立っているサイト・情報源・コミュニティの基盤はとてもたくさんあります。それらは恐らくそんなに遠くない未来に無くなるでしょう。しかし、本は残る可能性があります。

また、未来でなく現在においても読み手にとっては本の形はとても有用です。ある時点での情報が細切れや速報集でなくまとまった形で手に入ること、形状の読みやすさ(これは人によるのかも)、場合によっては写真の画質の良さです。作る方は大変だと思いますが。「ある時点での情報が細切れや速報集でなくまとまった形で」というのは特に重要だと思います。日々たくさんのボードゲームが発売・流通して、流行の変化も非常に早い中、ある程度の期間で振り返り、その時点での事をまとめるのは将来の役に立つ事です。

Board Game Review Book Vol.1 は、その名の通りボードゲームのレビュー集です。新作が中心ですがそれだけではありません。ゲームの特徴や面白いポイントが端的に書いてあります。ゲーム好きを対象としていると思われます。掲載ゲームは知らないものばかりです。

知らないゲーム、私の基準では重量級であったり長時間ゲームが多い中、「金メダル」や「銀メダル」が付いたゲームは気になります。合わなさそうなゲームでもやはりプレイしておいた方が良いだろうかと思います。また、プレイ済であまり高評価でなかったゲームに「金メダル」が付いていると再探究したくなります。例えば、「ゼロ」です。

きちんとソートされた索引があるのも嬉しいところ。

Board Game Review Book Vol.1 別冊1号にはレビュー記事とコラム記事が掲載されています。コラムはお役立ちです。いつもYouTubeで映る机にボードゲームが広げられて、その手前にカメラが映る写真はいつもの裏側を覗いている気持ちにさせますね。

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