テレビ東京の経済ニュース、ワールドビジネスサテライト(WBS)で4月17日(月)に、「電子書籍のイマ」という放送をしていた。
番組で電子書籍専用の端末が出ていたが、僕も他メーカー製のものを持っている。東芝の「ΣBook DCT-100」という機器なのだけど、これが本好きや Web の情報を朝電車で読みたい人などの iPod になる可能性のある機器に思える。だが、周辺のソフトやコンテンツの売り方が悪く利用者が出来る事の制限も多い。このままでは本の iPod になる望みはとても低いように思える。
ΣBook (シグマブック)というのは本型の端末で、開くと両側に大きな液晶画面がある。これが優れているのは、電池がとても長い時間持つ事だ。東芝のサイトによると、単三アルカリ電池2本で約3ヶ月持つ。ほとんど電池切れを心配する必要がないのがすばらしい。ボタンも少なく操作も簡単だ。
シグマブックで読む事ができるのは、ΣBookJp などで購入した電子書籍、そして Windows を搭載したパソコンで印刷できるドキュメント全てだ。ドキュメントのデータは ΣBookArchive という専用の管理ソフトで管理する。シグマブックで読むには、このソフトで SDカードに書き込み後、そのカードをシグマブック本体に差し込んで読む。
まるで、iPod + iTunes だ。すばらしいじゃないか。iTunes は、持っている CD から音楽を取り込んだり、iTunes Music Store で買った曲を管理する。iPod を持っていればその曲データを iPod と同期して持ち歩く事が出来る。
でもシグマブックはそんなに簡単ではなかった。シグマブック本体購入後、最初に自分で書いたワープロの文書をシグマブックで読もうとしてみた。まずハードウェアが足りなかった。著作権保護機能付SDカードライターが必要だった。もちろん空のSDカードも。まあ、それは仕方がない。買ってきた。
だが必要なものはそれだけではなかった。SDカードに転送した自分の文書を読むのに「ドキュメントビューワ実行権」というものが必要だった。有料である。僕が書いた文書を読むのにお金を払わなきゃいけないの? 少々理不尽な気はしたがオンラインで購入した。ちなみにこのドキュメントビューワ実行権、SDカード1枚につき1つ必要らしい。1GbyteのSDカードを買っておいて良かった。
iTunes ではユーザーが持っている CD を取り込むのや再生するのにお金は掛からないし、iTunes Music Store で買った曲を CD-R に焼く事が出来るなど利用者の制限は少なく、柔軟に利用できる。
他にも、データの変換にはとても時間がかかるし、紙に印刷するのを前提にした文書を印刷すると、余白が広く画面上の文字サイズが小さくなってしまう問題がある。しかし、前者はハードウェアの進歩を考えると時間が解決してくれるだろうし、後者は利用者で調整可能だ(簡単にできたほうがいいけれど)。
このように、このシグマブックは本体の操作は簡単だし、電池も非常に長持ちして本のデジタル版としていいところは非常にいい。ただ、実際に使おうとするとやっかいなところがあり、生活に組み込みにくい。もっと気軽に生活に組み込める利用スタイルを提案して欲しい。iTunes + iPod という成功例もあるのだから。
僕としては、朝 RSS ビューアで集めた情報をシグマブックに取り込んで通勤電車の中で読めたら最高なのだけど。あと Mac でも使えれば。