お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

電子書籍と紙の本比較 - Kindle Paperwhite を使用しての感想

Kindle Paperwhite を1か月程使ってみましたので感想などを。
前提として僕は mini じゃない iPad は使っていて、よく持ち歩いています。iPad miniNexus 7 のような7インチタブレット(つまりスマートフォンよりも面積が大きくて重いが、iPad サイズのタブレットよりも小さく軽い)は持っておらずほとんど触ったこともありません。
そこで7インチタブレットよりも小さな Kindle Paperwhite の使用感。

  • 鞄から取り出しやすい本と同じ位のサイズで、移動中に読む機会を持ちやすい。
  • 軽くて出かけるときに鞄に入れる事を躊躇しない。
  • 本の厚みや冊数では重さは変わらない。
    • 厚い本を気軽に持ち出して移動中など外で読む事ができる。
    • 外出後に複数の中から読む本を選ぶことができる。(外出先の電車内からでも買うことまでできる)
  • E Ink のディスプレイは文字も漫画もとても読みやすい。
  • 漫画の見開きのインパクトは再現できていない。→富豪ブックを使おう!
  • A4・B5印刷物をPDF化した文書は余白が大きく文字が小さくなり読む気がしない。

いわゆる「自炊」をしていないので、主に Amazon で「購入」した(あくまで閲覧権を得る契約をしているだけらしいですが) Kindle 本を読んでいます。それで紙の本と Kindle電子書籍を比較して感じたこと。

  • 本が共有可能なものからプライベートなものになった。
    • 貸し借り、譲渡が不可能になった。
    • 家の本棚にある家の本・家族の本という概念はない。家の本棚に並べておいて、子供が興味を持ったら読ませたいという使い方は難しい。
    • SNS 連携機能で内容の一部や感想を共有する機能はある。Amazon はこの特徴を認識しているのかもしれない。

さて、僕は電子書籍と呼ばれるものは紙の本だけでなく、ウェブ上の文書とも読者の時間の取り合いになると考えていました。別の言い方をすると、ブログの記事等と電子書籍とが比較対象となり、タブレットスマホ等利用端末や利用しやすいタイミングがほとんど同じ事を考えると、その差はコピープロテクトをかけて有料にしたのが電子書籍ではないかと。
ウェブの文書は玉石混交、紙の書籍やそれをデジタル化したものは内容の品質が高いという傾向は確かにあります。しかし、ウェブの記事はソーシャルメディアから本や雑誌的なものなどたくさんあります。お気に入りのブログ(=その読者にとって高品質)を読むのも精一杯なほどコンテンツに溢れています。
そして、これまでよりも幅広い個人が電子書籍として出版できるように既になりました。事情が変わってきそうです。(“Kindle本”自費出版「Kindleダイレクト・パブリッシング」日本版スタート - ITmedia ニュース 参照 )
これは電子書籍コンテンツの爆発的増加の可能性があり、販売サイトでも検索結果の並び順決定アルゴリズムに工夫が必要そうですし、本屋で「こんなジャンルの本が欲しい」くらいの気持ちで背表紙が並ぶ棚(単位面積当たりの情報量が多くて短時間で関連書籍にたどり着く)を眺めて本を見つけるのに匹敵する仕組みが必要に思えます。
「本が共有可能なものからプライベートなものになった」のは文化・社会に影響が大きいと考えます。
話がそれました。Kindle Paperwhite を使っていると、Amazon で購入する Kindle 本にロックインされた気持ちになります。それを買うのが一番簡単で短時間でできるのです。
なので、本を求めて Amazon を眺めます。こんな電子書籍が目につきます。

既存の出版物やバックナンバーの価値を再認識します。品質がある程度保障されているのと、読みたかった本が便利な形で手元にくるので。
雑誌のバックナンバーの記事単位での切り売りは魅力的です。単価が安くて品質の良さそうな、本屋では手に入らないものが読みたいところだけ手に入ります。iTunes Store の登場で、音楽がアルバム単位から曲単位での購入に変わったのを思い起こさせます。
今は Kindle Paperwhite が便利でディスプレイも読みやすいので、読むものを Amazon で探しがちです。同じような人が多いとしたら、セルフパブリッシングで安価な Kindle 本を販売するのは先行者利益を得ることができそうです。iPhone アプリ初期の頃にちょっとしたアプリでも話題になって売れたように。

リンク

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