お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

「ゲド戦記」の感想

いろいろ話題の、スタジオジブリの最新作、「ゲド戦記」を観た。
淡々と進むストーリー、割とぶつ切りでちぐはぐな各エピソード、微妙なカット割りなど、ジブリの作品に期待される様な大衆向けの娯楽要素は少ないと思う。でも、観ていて飽きないんだよね。娯楽作品としての期待を持たないで観ればなかなかいい作品だと思う。そうか、もともとアニメマニア向けだったのか。それならば、ツンデレヒロインや首輪をつけられて脱力した少年の主人公にも納得がいく。
それはさておき、この作品は生きる気力や目的を失った現代人に語りかける良作だと思う。各エピソードの謎(原作では語られているであろう関連エピソード)はそれに焦点を当てる為にあえて触れていないのだろう。観客は世界のバランスが崩れた原因は深く考えずに、主人公の少年の心の変化を中心に追っていればいいのだ。
静かな演出が多いゲド戦記だが、ゲドを演じた菅原文太の演技は良かったと思う。声を荒げたりせず、常に静かだけれど、独り言ではなく相手に語りかける感じや、心の温かさ、勇気(追記:心の強さと言った方がいいか)などが表現されていた様に感じる。静かだけれど迫力があった。ヒロインの手蔦葵手嶌葵の演技もいい。年齢が10代とは思えない。ヒロインの心の純粋さが伝わってくるようだ。
大作を期待すると肩すかしを食らうかもしれないけれど、それなりにいろいろ考えさせられる良い作品だと思う。(これを書いた後に原作者のコメントを読んで自信を無くしてしまった。)

ゲド戦記 特別収録版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2007/07/04
  • メディア: DVD