お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

WBS 「売り場で、ものづくりを見せる。」ソフトやインターネットではどうだろう

テレビ東京の経済ニュース、ワールドビジネスサテライト(WBS)で3月3日(金)に、「店構え 生産販売の一体化」という放送をしていた。

お店で、商品そのものよりも作っている所を見せるところがあるという事だ。お客さんは、お店や商品への信頼感や安心感が増しているようである。同じくもの作りのソフトウェアやインターネット上のサービスではどうだろう。ちょっと考えてみた。

オーダーメイド専門の洋服店。1階には服の見本などは一切飾られておらず、代わりに職人が服を作っている。

「モノよりプロセスの方が価値がある、それを”ショーウインドー”として見せる」(渡辺新 副社長/壹番館洋服店

銀座のオーダーメイド専門の洋服店での取材だ。もちろん、WBS で取上げたのは製造に手間がかかるものばかり。ソフトウェアの様に、開発には手間がかかるけれど複製は大量にできるものとは違う。でも、プロジェクトXが人気な様に、作っているものの機能を決定する過程や苦労を一般利用者に伝えると、ソフトウェアの信頼感の向上に役立つと思う。作ったモノが見えにくいし、多くの人にはよくわからないモノだから重要な事に思える。

もの作りの過程が見えるソフトウェアと言ってまず思い浮かんだのがオープンソース。過程が見えるどころか誰でも開発に参加できる。僕は最近その分野には疎いのだけど、Linux などの有名なところでは開発の為の打ち合わせはメーリングリストで行っていて、誰でも閲覧、投稿可能だったと記憶している。もしかしたら最近は Wiki や blog を利用しているところもあるかもしれない。どちらにしろ、過程は見ようと思えば非常に良く見えるはずだ。

オープンソースでないソフトウェアはどうだろう。Microsoft は開発者が結構 blog を書いている。例えば、開発ツール製品の開発者、テクニカルエバンジェリスト、製品マーケティング担当者、コミュニティプログラム担当者など、開発者に関係するブログ情報を紹介します。として、MSDN ブログというのをやっている。アメリカの Microsoft はもっと大々的に開発者が見える様になっていて、Channel 9 とうサイトがある。他の企業も開発者の公式 blog は多いようだ。古くて恐縮だけど、「MSやSunに続き、HPもBlogの活用開始」という記事があった。

インターネット上のサービスはどうだろう。Google にも blog がある(http://googleblog.blogspot.com/)。はてなは blog どころか会議の音声までインターネットで配信している(http://www.hatena.ne.jp/info/podcast)。

次に業務系システムの構築の世界。話題の東証のシステムの様なオーダーメイドのシステムを作る世界だ。これは僕の少ない経験を振り返ってみよう。まず、オーダーメイドなので、作り手と利用者(の組織の人)との交流は密接な場合が多い。業務の詳しい事が分からないとユーザに尋ねる事になる。作業場所の影響も大きい。ユーザー企業で開発する場合は隠し事が減る。開発する人の会話が聞こえるし、残業時間もよくわかる。過程がユーザー側に見えると、開発側が的確に行動している場合は信頼につながりそうだ。プロジェクトがうまくいっていない場合も、実態を伝えやすい様に思える。ただ、この場合にシステムを作っている過程が見えているのは、ユーザー側の団体のシステム関連の課の人でエンドユーザーではないけれど。

駆け足で検討してみた。開発者声を発信している団体は結構ある。blog ならば、情報の公開だけでなく利用者と双方向のやり取りが出来て効果が高そうだ。

blog が WBS の例と比較して弱い点はどこだろう。それは、積極的に情報を取りにくる人にしか伝わらないという点ではないだろうか。雑誌の広告や店頭のパッケージに、開発談が載っていると買う人の信頼感があがりはしないだろうか。また、サイトの目立つところに開発者の blog へのリンクを置いてはどうだろうか。システムが止まるとマスコミなどで叩かれてしまうところは、仕様策定会議の議事録を公開したり、それをまとめてこんな事がんばってます的な事をアピールしたら現状が世間に正しく伝わるんじゃなかろうか。そんな事を考えた。