お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

シシミジ/Sisimizi

シシミジはアレックス・ランドルフによるデザインのボードゲームです。1996年ドイツ年間ゲーム大賞推薦作品です。なお、この年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作は「エルグランデ」です。

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シシミジはいわゆる多人数アブストラクトゲームで、スタートプレイヤーと座席順以外に運の要素はありません。手番となったら手元からゲーム盤のマスにコマを3つおきます。コマは蟻コマと蟻塚の2種類があります。3つのうち蟻塚は1つまでしか置くことができません。蟻塚は置くことが可能なマスも限られています。その後さらに、盤上の自コマを3つまで移動可能です。移動の際も蟻塚移動は1つまでです。

ゲーム盤は11の区画(地形)に分けられています。各区画に置くことができる蟻塚は各プレイヤー1つづつだけです。各プレイヤーは自身の蟻塚計7つ全てを盤上で自身の蟻コマで接続できれば勝利です。早い者勝ちです。

今回4人でプレイ。

広い盤面のどこから始めるべきか迷います。「囲碁はこんな感じなのかな」と思いつつ中央付近から開始します。2手目はそれとくっつけて蟻を置くべきか、他所に布石を打つべきなのか。とにかく選択肢が広い。アブストラクトで同じ個数づつコマを置いてゆき、早さを競うのだから慎重になります。しかし、後から気づきます。毎手番コマを3つも動かすことができるのだから、多少の失敗や蟻塚を繋げるのには役立たなかった蟻コマも無駄にはならないのだと。優しいアブストラクトゲームです。

だんだんと各プレイヤーの蟻列が伸びてきて接続ルートが見えてくるとともに、他プレイヤーの邪魔になってきます。

厄介なのは、蟻の上に蟻を置くことができるのはゲーム中各プレイヤーそれぞれ2回まで(4人プレイ時)というルールです。これで別プレイヤーの蟻列と交差できます。この回数は感覚的には少なく、回り道を迫られます。上に置くのはまさに決め手となる瞬間のみに実行すべきです。

序盤、中盤、後半で同じルールが継続しているにも関わらず展開が変わってくるのも面白いところ。

削ぎ落とされたルールで面白い、非常に高評価のボードゲームです。