お髭処blog

ドイツのものを中心としたボードゲーム・カードゲームのプレイ記録・感想を中心としたブログです。最新のドイツゲームから、紀元前から伝わるゲーム、旧西ドイツ製のレアゲーム、日本伝統の博打まで幅広くプレイしています。

ゲシェンク/Geschenkt

ゲシェンクは以前プレイしたことがあったのですが、あまり面白さがわかりませんでした。定番と呼ばれているゲームなのに。最近またプレイする機会があり、急に面白さがわかってきた気がします。

このゲームの面白さは欲望を丸出しにすることを肯定するところにあると思います。

ゲシェンクコンポーネントはシンプルです。

まずはカード。数字が印刷されています。3から35まであります。これはマイナス点。

次にチップ。各人手に握ります。これはプラス点。

ゲシェンクのルールはシンプルです。

準備として9枚カードを抜きます。これがゲームにドキドキを加えます。

各人チップを手に握ります。

カードは一つの山にします。

ゲーム開始。

山札をめくります。手番プレイヤーはそれを引き取るか、チップをテーブルに出してパスするか決めます。隣の人に代わります。その人も同様にします。皆がチップを置いてパスしたらまた回ってきます。

基本的にカードは欲しくありません。印刷された数字がマイナス点となるのです。ただし、手元のカードが連番となっている場合、その中の一番小さな数字だけがマイナス点となります。例えば、「10」「30」「31」「32」の4枚がAさんの手元にある場合、全部でマイナス40点となります。

この連番の得点計算ルールにより、人によってカードの価値が変わってきます。ここが面白い。

例えば、先ほどの例の状況で、「33」が山札からめくられた場合、他の人は欲しくないかもしれませんが、Aさんにとっては引き取っても損がないのです。ですから引き取ってもいいのですが、そこで欲を出します。一人だけ引き取ってもいい状況でチップを出すのです。一周して回ってきたところで考えます。もう一回チップを出してもう一周させるか。注意が必要です。チップ切れの人がいないか。実は「34」を持っている人がいないか。「35」を持っていて、将来「34」が登場することを狙う人がいないか。

そんな状況で欲望を丸出しにするのが面白いのです。大抵の人には普段なかなか機会がありません。今の話では、「35」を握っている人も確定しない見ないを根拠に欲と手堅い判断を天秤にかけているのです。

ボードゲーム・カードゲーム愛好家でない人たちと遊ぶのにもおすすめです。ただし、マイナス点が基本の苦しさとわかりにくさがあるのは弱点かもしれません。

もう僕にとっても定番です。