ネバーエンディングストーリーを観た。子供の頃に観た映画を改めて鑑賞すると、また違った感想を持つというのはよくある話しで、この映画はまさにそうだった。
単純な冒険の話しだと思ていたけれど、真の敵も味方も本の外に居て、それを登場人物が語る、哲学的な面もあるお話だ。
主人公が、「ネバーエンディングストーリー」というタイトルの本を手に入れるエピソードなどは面白い。子供嫌いの本屋の親父が、主人公の少年が本を読んでいる子供だという事がわかったとたんにキチンと話してくる。この本は「危険な本」だと。ネモ船長が出てくる本は、ドキドキはするけれど「安全な本」だと。映画製作者の物語への思い入れが伝わるとともに、この作品のテーマに深く踏み込んだ会話だ。最後のオチなどはちょっと安易かなという気はするけれど、ストーリーは暗く地味な話しが続く映画だ。そもそも、最大の敵は「虚無」。姿が見えない。派手な戦闘がある訳でもない。でも、脇役の知的生物達の造形は面白い。
ファンタジー好きやTRPG者は今観ても面白いと思う。