この blog があるはてなダイアリーには、自動的にキーワードがリンクになる機能がある。最近 Wikipedia と並んで、このはてなキーワードが Google の検索結果の上位に出てくる事が多くなってきた。「web2.0とブログの可能性:はてなの野望、天下無双のウィキュペディアへの挑戦」に書いてある理由からだろう。
でも、そのキーワードページの内容は百科事典の Wikipedia と比べるとちょっと寂しい印象がある。もしかしたら僕がはてなキーワードを見る事の方が多いせいなのかもしれないけれど。どちらにしろ、はてなキーワードが充実していくのははてなダイアリーを利用するものとしてうれしい。
だが、はてなキーワードが百科事典に近づいていけばいいのだろうか。それもちょっとつまらない気がする。百科事典を自由参加で作るという壮大な試みの人的資源が分散してしまうのがもったいない気もする。
そこで、Wikipedia の目標が百科事典ならば、はてなキーワードは新明解国語辞典というのはどうだろう。Wikipedia がギャラクティカ大百科ならば、はてなキーワードは銀河ヒッチハイクガイドだ、とも言える。
よくわからない? ならば「新明解国語辞典を読む」をご覧になって欲しい。「新明解国語辞典」をキーワードに検索すれば、他にもこの国語辞典のファンサイトが見つかる。一言で言えば、一言多いおもしろ国語辞典だ。
ギャラクティカ大百科と銀河ヒッチハイクガイドは、どちらも小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」(asin:4309462553)に出てくる本だ。引用しよう。
銀河系の東外縁には、西側に比べて肩のこらない文明を発展させている星が多い。それだけに、既にあの悪名高い「ギャラクティカ大百科」を押しのけて、「ヒッチハイクガイド」のほうがあらゆる知識や知恵の出典として広く認められるようになっている。欠落は多し、いかがわしいとは言わないまでも、少なくとも大いに不正確な記述も少なくないのだが、古くて退屈な「ギャラクティカ」よりもふたつの重要な点ですぐれていたからである。
「ギャラクティカ大百科」の「アルコール」の項には、アルコールは無色の揮発性液体であり、糖分の発酵によってできると書かれている。
(中略)
「銀河ヒッチハイク・ガイド」にもアルコールの項目はある。それによると、この世に存在する最高の酒は汎銀河ガラガラドッカンである。
この酒を一杯飲むのは、スライスレモンに包んだ大きな黄金のレンガで脳天をかち割られるようなものだという。
さらにまた、最高の汎銀河ガラガラドッカンが飲める惑星はどこかとか、一杯いくらで飲めるとか、飲んだあとのリハビリを助けてくれるどんな任意団体が存在するかとか、そういうことも書かれている。
それどころか、自分で作る方法すら書いてある。
(中略)
「銀河ヒッチハイク・ガイド」は、あの「ギャラクティカ大百科」より売れているのである。
つまり、多少不正確でもいいから、身近でおもしろくて役に立つ事を優先したらどうだろう。こんな事が書いてあるキーワードページとダイアリーページを読んだら、もとのダイアリーとは違う新しい光景が心の中でつくられて楽しいじゃないか。マッシュアップだ。そう、Web 2.0 にならってこれを「はてなキーワード2.0」と呼ぶのはどうだろう?
はてなキーワード2.0に賛同してくれる方はいませんか? 僕はおもしろい文章を書くのはどちらかと言うと苦手ではあるのですが・・・
- 追記(5月11日)
- 関連エントリー「はてなキーワードは Wikipedia を目指さない方がいい 新明解国語辞典を目指そう その2」を書いた。